第108回TQE 金融・経済(和文英訳)
半田さん
1.自己紹介をお願いします
フリーランス日英・英日翻訳者の半田と申します。TQEは今回の第108回金融・経済翻訳(日→英)をはじめ、過去には広報・マーケティング(日→英)、時事・新聞(日→英)でも合格をいただいております。また、英→日の言語方向では、2023年に米国のATA認定試験に合格いたしました。
2.受検した言語の学習歴を教えてください
母が英文科卒で、趣味で英語を勉強している姿を見て育ちました。中学入学時に英語ができる!と喜んだのを覚えています。学校の問題集を繰り返し解き、穴埋め問題も和訳を見て英文がスラスラ書けるまで練習しました。また中3から海外ドラマを使った勉強も始めました。最初は字幕・日本語吹替で見て、字幕なしで理解できるようになったら真似て口に出すという練習をしていました。私は留学経験がなく、帰国子女でもありませんが、中学から英検を、高校からTOEICの受験も始め、成長を可視化することでモチベーションを維持し、英語力を伸ばすことができました。結果、高校時代に英検1級を取得し、大学時代に国連英検特A級、TOEICのL&R、S&Wですべて満点を取得しました。
3.翻訳の学習歴を教えてください
2019年頃から翻訳に関心を持つようになり、クラウドソーシングで記事を翻訳するプロジェクトに応募しました。1記事300円程度のお仕事でしたが、場数を踏めるのならばありがたいと思い、積極的に受注しました。その後、現役の翻訳者様と繋がり、フィードバックを頂いたり、ツールの使い方を教わったりしました。そして、本職として翻訳をやりたいと思うようになり、TQEに挑戦しました。まず広報分野で合格し、サン・フレア様ともお仕事を開始し、さらに場数を踏む機会をいただけるようになりました。私はもともと産業翻訳の分野において専門知識がない状態でしたが、金融関連のお客様とお取引をしていることもあり、金融に関心を持つようになったので、サン・フレア アカデミー様の金融・経済上級講座(通信科)を受講いたしました。先生やスタッフの方から丁寧なフィードバックをいただき、サン・フレア様からも金融関連の案件を発注いただくこともあり、理論と実践で効率的に翻訳スキルを上げていくことができました。
4.何がきっかけで翻訳者を目指そうと思いましたか
社会人になって仕事をする中で、1人で黙々とやる作業が好きであることに気づきました。また、英語をビジネスのコミュニケーションツールとして使うだけでは物足りず、高い英語力を求められ、深く語学と付き合える仕事がやりたいとも思いました。「その両方を併せ持った仕事は何だろう」と考えた結果、翻訳にたどり着きました。
5.TQEを受検したきっかけは何ですか
資格を指標にモチベーションとスキルを伸ばしやすい性格でしたので、翻訳関連の資格がほしいと考えていました。TQEは柔軟なスケジュールで受験できる点、合格すれば大手の翻訳エージェント様に登録できるという点、そして様々な分野で力を試すことができる点が非常に魅力的です。
6.TQE合格のために苦労した点、悩んだ点はどういったことでしょうか
翻訳を始めて間もない頃は、原文の意味を正確に表すことより、どうしても自分が使いたい表現を使ってしまい、創作文になってしまう傾向がありました。また、原文につられて直訳になってしまうこともありました。
7.苦労した点、悩んだ点はどのように解決されましたか
英日・日英の両方をやりますので、効率よくスキルアップできたと思います。納期の緊張感を持ちながら集中して作業する中で、表現力を伸ばせてきました。特に、類似分野で逆言語方向の案件をやると、表現がよく身に着くと感じました。一方で、フリーランスはどうしても独りよがりになってしまうので、サン・フレア アカデミー様の金融・経済講座を受講し、講師の方からフィードバックをいただく機会も作りました。そして、積極的に実務でそれを活かして定着を図りました。
8.合格した分野を受検するために参考にした書籍等はありますか
金融・経済の分野に関しては、講座のテキストの金融用語など、馴染みのないものは積極的にインターネットで調べました。また、書籍ではありませんが、YouTubeの金融・経済関連のチャンネルで好みのものを見つけ、仕事の合間などに幅広いトピックに関する動画を見るようにしました。
9.翻訳者としてのこれからの計画を教えてください
AIの時代にも生き残れるよう、専門性を高めたいと思います。目標にしていた金融・経済分野で合格をいただいたので、これをきっかけに金融関連の資格にもチャレンジして知識を深めていきたいです。ただし、一分野に特化してフリーランスの翻訳者として安定的に仕事を得るのは難しいと思いますし、それ以外の分野の翻訳も楽しいので、引き続き幅広い分野に積極的に対応していきたいです。
10.TQE合格を目指す方々にメッセージをお願いします
TQEは難易度の高い試験ですので、受かってから翻訳者になるというよりは、まず翻訳をする機会を作ることをお勧めします。経験が少ない方は、まずボランティアでも簡単な翻訳でもいいので、強引に(?)でも翻訳デビューしてしまいましょう。もちろん、それはいい加減な仕事をしていいという意味ではありません。ご縁のあった仕事は、丁寧に、そしてすべて自分の糧にする心意気でこなしていきましょう。そして、講座なども受けて、フィードバックをもらう機会も作ると良いと思います。翻訳に慣れてきたら、構えすぎずにTQEにチャレンジしてみて、自分の現在の能力を知ることも重要だと思います。
