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講座Q&Aコーナー

はじめての技術翻訳B Q&A

通信科受講生から寄せられたご質問を紹介しています。
回答は、「はじめての技術翻訳B」担当講師の、渡辺理恵子先生です。

「英辞郎」と専門用語辞典を使っています。インターネットなどで検索できるお勧めの辞書があれば教えていただけますか。
英辞郎は経済の実務翻訳一般に関して定評がありますが、医学薬学翻訳に関しては真っ先に飛びつかず、最後に調べる辞書です。ウィキペディアやヤフー百科事典も利用者が多い便利なサイトですが、これらの記述内容を根拠としたコメントを訳者注にすることは避けましょう。英辞郎その他で見つけた訳語は他の資料で二重、三重に確認してから使用してください。
お使いの専門用語辞典が不明なので明確にお答えできませんが、翻訳実務では各専門分野の用語集で調べることが欠かせません。
すでにご存知かもしれませんが、「翻訳のためのインターネットリソース」が便利なサイトとしてよく知られています。また、たとえば「○○学 用語集 オンライン」をキーワードとしてWeb検索すると、オンライン版の専門語用語集が見つかります。Web検索ではサイトの信頼性が問題になるのでサイトの見極めが重要ですが、Web検索よりも書籍(○○用語集や専門書)で調査することが第一と考えてください。
工業分野の英文資料をたくさん読み、専門的な英文に接する機会を増やしたいのですが、英文と日本語訳の両方が揃った文献を閲覧可能な図書館やWebページはありますか?
英文と日本語訳の両方を閲覧できる代表的なソースの一部を以下に紹介します。
下記の①、②、⑤についてはインターネットで利用できます。③と④については、大きな図書館なら収蔵されていることがあるので、蔵書検索をしてみるとよいでしょう。ただし、翻訳版の訳し方や訳語を無条件で受け入れるのではなく、裏付けを取った上で活用することをお勧めします。
Science誌(英語)
サイエンスジャパン(①の日本語版)
③ Scientific American(英文雑誌)
④ 日経サイエンス(③の日本語版)
メルクマニュアル(医学書。英語版および日本語版)
単位を換算する際、小数点第1位まで表記すればよろしいですか。例えば、“7 or 8 inches”とあった場合、(17.8~ 20.3cm)で間に合うのでしょうか。
単位によって性質が異なることも、文書によって必要な精度が異なることもあるため、残念ながら小数点第何位までと一概に申し上げることはできません。
たとえば「インチ」に関しては1 in. = 2.54 cmなので、一般向け文書では「約」を付けて小数点第1位までの表記で可とすることもありますが、精度が重要な文脈(試験の測定値など)では小数点第2位まで示した方がよいでしょう。換算する係数の桁に合わせて決めるとよいこともあります。
また、原文にaboutが使われていなくても、換算して近似値を得る場合は「約○○m」のように「約」を付けます。実務では、「依頼者の指示を遵守する」、「依頼時に確認する」、「納品時にコメントする」などの対応が一般的です。
原文中のダッシュ(―)を使わずに(省略して)訳した方がよいのでしょうか。
フォーマルな文書では通常、ダッシュを使わず、表現や語順を工夫して訳します(フォーマルでない文書の訳文ではダッシュを使うこともあります)。数式などで用いる場合を除き、欧文記号は使用しませんが、他に方法がない場合の最終手段になることもあります。実務では、依頼者の指示に従うのが原則ですが、指示がないときは依頼者に確認するか、訳者注としてコメントします。
テキスト P.29の「翻訳のポイント」には「that is:すなわち(ひらがなで表記する)」と書かれていますが、それはなぜでしょうか。
ひらがなで表記した方がよいとされる例があるからです。
たとえば、「しかし」「また」などの接続詞や「すなわち」「ただし」などの接続詞的な副詞はひらがな表記が一般的です。ただし、法律文書や厚労省関連の文書では漢字表記(特に「及び」、「並びに」など)を用いることが多いので、文書の性質によって使い分けなければなりません。
表記方法で迷ったときには、『現代国語表記辞典』(三省堂)、『記者ハンドブック新聞用字用語集』(共同通信社)、『英日実務翻訳の方法』(大修館書店)などで調べるとよいでしょう(技術系の文書と異なる用字用語もあるので注意してください)。
大学では物理を専攻していたため、医学の知識がなく、この講座でも専門用語や表現方法に苦労しました。基礎知識から学べる参考書や辞典を紹介いただけますか。
医学・薬学翻訳のビギナーには、はじめに『医学大辞典』(ドーランドとステッドマンのいずれか)1冊と、『医学大辞典』(医歯薬出版、医学書院、南山堂のいずれか)1冊と、『医学英和大辞典』(南山堂)を購入することをお勧めしています。
基礎知識を学ぶには、高校化学の教科書、高校生物の教科書、『医学を学ぶための生物学』(南江堂)などが役に立つと思います。
英文中の「:」と「;」にはどのような違いがあるのでしょうか。また、翻訳する際の注意点はありますか。
コロン(:)の主な役割は、1文の終わりに用いて、その後の文で前に述べた文に関してさらに詳しい情報、説明、例や細目、引用文などを追加することです。
一方、セミコロン(;)の主な役割は、前の文と後の文(句の場合もあります)に関して等位接続詞(and、but、orなど)を使わずに接続して対比し、釣合いを保って論理的関係を密接に示すことです。これによって平叙文が単調に続くのを避けられます。セミコロンには、文中で連結詞(however、therefore、hence、thusなど)を使用する場合に連結詞の前に置いて(このとき通常は連結詞の後にコンマを入れます)相互関係の存在を示すという役割もあります。
和訳文では、日本語本来の句読点や記号[句点(。)読点(、)鉤括弧(「 」)]のみでなるべく済ませるのが一般的ですが、他に方法がない場合、あるいは数式またはフォーマルでない文書に限り、欧文用の句読点や記号[-、―、:、;、/、?、!など]を使うようにします。
翻訳する際には、上記を考慮して各文脈で最も適当な言い回しを工夫するとよいでしょう。特にコロンは「すなわち」としばしば訳されますが、常に適切な訳語とは限らないので注意してください。
食物や植物の名称はカタカナでよいのでしょうか。辞書や関連図書によっては漢字表記もあって気になりました。
高校の化学や生物の教科書でも確認できるように、「生物種(分類上の名前)」として言及されている動植物名はカタカナです。科学系の学術的な内容ではカタカナが原則ですが、総称的に用いられるときや一般向けの文書では漢字でもかまわないこともあります。ケースバイケースで対応しましょう。
産業翻訳に使われる定訳が分かりません。課題でも辞書を引きながら訳したもののの、確信をもって訳語を選ぶに至りませんでした。適訳を見極めるには、どうすればよいのでしょうか。
一口に産業翻訳といっても、さまざまな分野があります。どの分野にも専門の用語集や辞典があるので、通常それらを参考に翻訳します。例えば「癌」については、医学大辞典や癌用語集を利用するのが最善です。
また、さまざまな角度からの検討も欠かせません。単語の機械的な置き換えはできないので、文脈から慎重に内容を見極めることが重要です。1つの用語に対して、3種類以上の図書やウェブサイトを参照するとよいでしょう。図書館を利用する方法もあります。なお、インターネットを利用する場合には信頼性の高いサイトを慎重に探しましょう。具体的には次のような方法をお勧めします。

①専門分野の辞典や用語集を手に入れる。
②その専門分野の教科書や関連文書を日本語と英語の両方で多読する(インプットには音読が効果的です)。
③不明な用語に遭遇したときは定義を調べる(たとえば生体内の「組織」とは)。
④入手可能な対訳(例:メルクマニュアルの英語版と日本語版)を利用して、翻訳を訓練する機会をなるべく増やす。
⑤定訳が見つからない場合は、文脈や背景知識から判断して妥当な訳語を当てる(実務では納品時にコメントを添えます)。
単語帳はどのように作成すればよいでしょうか。
専門分野別の用語集と用例集を作成するとよいでしょう。EXCELの「並べ替え」を利用すると、和英と英和のリストを簡単に作成できます。ただし、専門用語については自作の用語集や用例集だけでは不十分なので、市販の用語集や用語解説集も揃えましょう。
私は医学薬学翻訳が専門なので、癌、呼吸器系、神経系などの分野別に用語(単語)集と用例集(慣用表現集など)を作っていますし、用語・用例の登録機能が付いたCD版辞書や翻訳支援ソフトも使っています。Personal Dictionaryというフリーソフトも翻訳者によく利用されています。
(1)、(2)、(3)のような原文の区分けを訳文で省略してもよいのでしょうか。
番号、括弧、箇条書きの表記法や形式はすべて原文どおりが原則であり、翻訳者の判断で追加したり削除したりすることはできません。箇条書きが同じ行に収まっている場合は、訳文でも同じ行内に書きます。原文の箇条書きが項目ごとに改行されている場合は訳文でも同様に改行します。
「may involve」、「involve in 」、「have involved」など、「involve」が訳し分けしにくい上に直訳調になりがちで、しっくりした訳文になりません。「involve」の訳し方のコツがあれば教えてください。
確かにinvolveは訳しにくい語ですが、英英辞典で調べるとニュアンスを捉えやすくなります。

The NEW OXFORD AMERICAN DICTIONARYによると、involveの説明は次のとおりです。
①(of a situation or event) include (something)as a necessary part or result.
②cause (a person or group) to experience or participate in an activity or situation.

①ではsomething(事物)が対象、②ではa person or group(人またはグループ)が対象となっているので、「involve+事物」には「必要」、「involve+人などの行為者」には「経験や参加」を含んだ意味があることがわかります。
もちろん、この使い分けには例外もあると思いますが、基本的な考え方として理解しておくとよいでしょう。
次に、involveが能動態と受動態のいずれで使われているのかも考えなくてはなりません。とりあえず訳文内でinvolveまたはinvolvedを英語のままにしておき、上記の①および②+文脈で判断し、「必要」「伴う」「関与」「携わる」「参加」「行う」「影響」あたりから選ぶとうまく訳せるでしょう。
「without which」のように「前置詞+関係代名詞」が原文に含まれている場合、関係代名詞が何を指しているのかよくわからない訳文になってしまいます。「前置詞+関係代名詞」の訳し方のコツを教えてください。
まず、先行詞を明らかにしてから、英語で理解した内容を日本語ではなく、映像として頭にイメージしてみてください。その後で映像を日本語化すると自然な表現になると思います。

ご参考までに、以下に訳例を挙げておきます(出典:メルクマニュアル第17版)。

①Rescue breathing is not recommended for the hospitalized newborn because of the ease with which bag and mask ventilation can be established.
入院している新生児では、バッグとマスクによる換気法が確立され、容易に実施できるため、人工呼吸は奨められない。
②The premature infant is small, usually weighing < 2.5 kg, and tends to have thin, shiny, pink skin through which the underlying veins are easily seen.
早産児は小さく通常2.5kg未満であり、薄くてつやのあるピンク色の皮膚で、皮下の静脈が容易にみえる傾向がある。
③Genetic mechanisms control the processes by which copper is incorporated into apoproteins and those by which toxic accumulations of copper are avoided.
遺伝的メカニズムは、銅をアポ蛋白に組み込むプロセスを制御しており、このプロセスによって毒性のある銅の蓄積は回避されている。
「when」は「~した場合」と訳してよいのでしょうか。この場合、「if」と区別がつかなくなってしまいます。やはり「if」と区別するために、「~すると」、「~した時点で」などと訳した方がよいのでしょうか。
「場合」は注意して用いるのがよいと思います。私は以下のように理解していますので、参考にしてください。

ifの基本的な訳し方(副詞句の場合)
①「~場合」・・・場合分けを表します。
②「~ならば」・・・仮定を表します。
whenの基本的な訳し方(副詞句の場合)
①「~すると」「~した時点で」
②「~とき」・・・「場合」と訳すと場合分けと誤解されそうなときに用いることができます。
③「~場合」・・・場合分けで用いることは可能ですが、機能が同じでもニュアンスが異なるため、「とき」で使い分けるほうが賢明とされます。(実際には「~場合」が多く使われています。各人の判断になるでしょう)
専門外の翻訳では特に調べることが多いと思いますが、どのようにすればよいでしょうか。調べ物を素早く行う方法はありますか。
的を射た調査をするには分野を特定することが重要です。どの分野の話題なのかを原文のキーワードから考えて、その分野の定番図書を調べます。スピーディな調査にはWeb検索が便利ですが、その際には信頼できるサイトのみを利用しましょう。
翻訳を数多くこなすうちに、自分の調査方法が次第に確立されていくでしょう。翻訳の質を高めるには、調べ方に慣れるばかりでなく、医学、化学、バイオといった専門分野などを決めて「よろず翻訳家」を避けることも不可欠だと思います。
分野ごとの適訳はどのように習得できますか。
残念ながら近道はないものの、分野を絞って音読するとインプットに効果があります。文系出身の方には高校の化学や生物の教科書から始めることをお勧めしています。理系出身の方でしたら、さらに細分化された分野で多読と音読を心掛けるとよいでしょう。
日頃から言葉へのこだわりや問題意識をもって、「聞く」、「読む」、「話す」、「書く」のそれぞれに力を入れてください。
組織の正式な日本語名はどのように調べたらよいのでしょうか。
組織の日本語名については、信頼できる情報源(特に政府系のWebサイトや組織名をまとめた専門書)で調べるのが一般的ですが、日本駐在の大使館に問い合わせるという方法もあります。ただし、知名度が高くない組織については、定着した日本語名がないことも多いため、「英語表記のままにする」か、「日本語と英語を併記する」のが一般的な実務慣行です。通常、表記方法については依頼者から指示があります。
includeで複数の対象が例示されている場合、「など」という表現を訳文に加えてよいのでしょうか。
「全体の一部を示す」のがincludeの正しい用法です。したがって、原文でincludeを正しく使っている場合は「など」を付けるのが適切ですが、そうでない場合(includeをconsist ofと同様の意味で使っているために、含まれる全要素が列挙されている場合)に「など」を付けるのは不適切です。includeの使い方を確認してから訳しましょう。
なお、技術系文書でのincludeについては、例示列挙の場合は「~(など)で(が)ある」、統計的な集合や化学的な含有の場合は「含む」と訳し分けるのが好まれています。
産業翻訳で「すなわち」を「or」で表現することは多いのでしょうか。「すなわち」を英訳する場合、コンマで区切るかnamelyを使うことにしていたのですが、orでもよいのでしょうか。
「すなわち」には「言い換えると」、「(間接的表現の後に直接的に)知られた言い方(ご存知の名称)でいうと」、「具体的にいうと」、「簡単にいうと」などいくつかの異なる含意があります。英訳の際、原文に「言い換えると」や「別名でいうと」の含意があればorを使って訳せます。「(間接的表現の後に直接的に)知られた言い方(ご存知の名称)でいうと」の含意があればnamelyで訳します。「具体的にいうと」の含意があれば、単にコンマまたはspecificallyで訳します。内容に応じて訳し分けるとよいでしょう。
在宅で仕事がしたいと考え、育児の合間を縫って翻訳の勉強を始めましたが、そもそも自分の専門分野を見極めるのも困難です。そのため、高価な専門辞書を購入する気になれず、間違った道に進んでいるのではないかと悩むこともあります。講座を通して専門知識を身に付けなければと思うものの、各分野の専門知識をどの程度まで習得すべきなのか見当が付きません。どうかアドバイスをお願いします。
文系出身でしたら、最初に高校の教科書(特に化学と生物)を復習しておくことをお勧めします(理系出身でも科学分野の基礎知識を復習しておくことが大切です)。今後、専門を絞り込んでいかれることと思いますが、興味がなければ学習意欲も湧かないので、興味が持続する分野を選ぶことをお勧めします。また、「化学辞典」「生化学辞典」「医学大辞典」などは医薬、化学、バイオのいずれの分野でも有用なので、最低限お持ちになっていた方がよいでしょう。
「専門知識をどの程度まで習得すべきか」についてですが、プロの翻訳者は「プロの表現者」といわれていますし、専門知識が多いに越したことはありません。ただし、入念かつ効率的な調査を行うスキルが重要なので、そのために必要な程度の基礎知識と専門知識が求められるとお考えください。
例えば、学問体系の知識や頻出専門用語の定義は身に付けておくべきでしょう。十分な調査に基づいた訳文であれば、専門家の読者に「自然な文章」として読んでもらえますし、それが翻訳の商品性になります。
実際の翻訳業務では、同じ分野の案件を何度も担当し、調査し、勉強しているうちに、専門知識がおのずと確立されていくことがよくあります。専門知識や翻訳技術は一朝一夕で身に付くものではなく、一歩一歩着実に前進する努力が欠かせません。ちなみに翻訳会社の翻訳者募集の条件は「経験3~5年以上」が多いですし、お子様に手がかかる間は翻訳の学習期間と決めてインプットを心掛けるのはいかがでしょうか。時間的に余裕が出てきた頃お仕事を本格的に開始できるように長期的な計画を立てるとよいでしょう。
どの分野を専門にするかを勉強中に見極めていきたいので、専門分野の辞書等はまだ購入していません。Web検索も十分に使いこなせていない状態です。専門用語や例文を検索できるお勧めサイトなどがあれば教えてください。
インターネット検索に関する注意点は以下のとおりです。
①信頼できるサイトを利用すること
②ほかの資料(図書やサイト)で二重、三重にもチェックすること

よく利用されているサイトの一部を以下に紹介しておきます。
Dictionary of Dictionary - 辞書の辞書 -
用語・辞書・語学関係のリンク
学術用語集

私の専門は医学翻訳なので、医学専門のサイトも紹介させていただきます。
医薬品に関する情報
Healthcare Clinical Practice Guidelines
JANCOC Homepage
医療情報サービスMinds(マインズ)
PubMed Home
くすりのしおり
医薬品医療機器情報提供ホームページ
医療科学社のホームページ
おくすり検索
診療ガイドライン
添付文書情報メニュー
漢字とひらがなの使い分けなどに関するハンドブックやルールブックを紹介してください。
『朝日新聞の用語の手引』、『記者ハンドブック新聞用字用語集』(共同通信社)、『現代国語表記辞典』(三省堂)などが一般文書用として広く利用されており(技術系文書専門ではありません)、『英日実務翻訳の方法』(大修館書店)の一部にも解説が掲載されています。ただし、いずれの書籍もそれだけで十分というわけではありません。また、業界、分野、翻訳会社などによってルールや好みが異なるので、ケースバイケースで対応する必要があります。
複数の対象がandで列挙されている場合、andは常に訳すのでしょうか。
常に訳さなければならないわけではありません。andに関する主な注意点を以下に示します。

①A,B,C and D
※通常はCの直後にコンマがありませんが、実務文では往々にしてコンマがあります。
この場合は「A、B、C、およびD」とするのが原則ですが、各列挙要素が短い場合には読点(、)のみで列挙することもあります。読み手の視点から判断するとよいでしょう。
②A and B and C
※「入れ子構造」といわれるもので、通常は(A+B)+C、またはA+(B+C)の構造が考えられます。つまり、「AとB」または「BとC」が1つの組になっていることが考えられるので、andを適切に訳し分ける必要があります。

【例】Roman Theater and its surroundings and the "Triumphal Arch"
ローマ劇場とその周辺、および「凱旋門」

andの詳細については、『翻訳の泉』第14回「andとorの話」を参照されるとよいでしょう。
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