サン・フレアアカデミー

「TQE」合格者インタビュー

第67回 特許明細書・電気(英文和訳)

吉岡さん

1.自己紹介をお願いします

第67回TQE「特許明細書(電気)」和文英訳に合格し、登録していただくことになりました吉岡です。まだ翻訳の仕事は実績がありませんが、これで人生初の翻訳者としての仕事をスタートできる環境をいただきましたので、大変うれしく思っています。

2.受検した言語の学習歴を教えてください

私の英語学習のスタートは、突然でした。英語に特に携わらない日本の電気大手の社員時代に、30を少し超えたある日、英語をやりなさい!という天からの思し召しか、ドーパミンの過剰分泌か、その日を皮切りに、NHKラジオ、英会話教室、書籍の買いあさり・シドニー短期留学など、取り憑かれたかのごとくありとあらゆる方法で勉強に取り組みました。転職して外資系で電機部品の技術サポートなど経験してまいりました。しかし、現地生活を経験していなかったせいか、ビジネス会話、特に「聞けない」ことにコンプレックスの日々が続いておりました。

3.翻訳の学習歴を教えてください

翻訳の学習については、まだ永くはありません。今から1年4ヶ月前に、サン・フレアアカデミーさんで特許明細書の講座を始め、初級・中級・上級を松田先生のもと修了させていただいた後、坂口先生のもと英訳演習を修了いたしました。

4.何がきっかけで翻訳者を目指そうと思いましたか

大手電機メーカーでハード・ディスクの技術者として手腕を振るわれておられた私の知り合いからある日、とっくに早期退職して特許事務所で特許翻訳をやっているという話を聞き、こんな仕事もあるのかと思うと同時に、「好きな仕事かも・・・」とピピッと感じるものがありました。当時、USの本社技術者と業務上のやりとりをやっており、技術英語(当時はまだ自己流ですが)の作成に対して面白みを感じていましたし、それになんと言っても翻訳家にリスニング能力は問われませんから(笑)!その数ヶ月後にはサン・フレアアカデミーさんの講座を開始することになり、おまけに半年後には会社を辞めてこれに専念いたしました。

5.TQEを受検したきっかけは何ですか

TQEどころかトライアルの何たるかも知らないでサン・フレアアカデミーで学び始めた私にとっては、松田先生からのアドバイスもある中で、まずはこれを目標に設定したのがきっかけです。

6.TQE合格のために苦労した点、悩んだ点はどういったことでしょうか

私の英訳の悩みは、日本人に共通であろう「冠詞」です。通常の英文法でさえaなのかtheなのか悩みますが、特許明細書の場合、そのルールプラスαがあり、今でも苦労しています。

7.苦労した点、悩んだ点はどのように解決されましたか

冠詞については、最初は特許明細書のルールに戸惑いましたが、何度もテキストを読んで演習をやり、ネイティブの書いた明細書を読むなど、そのルールに慣れるよう心がけました。自分なりにパターン化させるといいと思います。また平行して、文章上の名詞が初出か既出かの単純チェックを、Wordのマクロを使っての二重チェックも試みました。

8.合格した分野を受検するために参考にした書籍等はありますか

まずは、坂口先生の英訳演習のテキストは、解説が豊富で一番のよりどころです。あとは定番書籍ですが、「技術英語の基本」と「特許の英語表現・文例集」です。明細書の英訳をされる方は是非マスターしたいものです。「特許翻訳の基礎と応用」や「英語表現辞典」なども参考になるかと思います。
私の場合、これらの本で取り上げられている日英の「キーワード」を抽出し、Excelからマクロを使って原文と訳文に対し一括検索し、チェックに抜けが出ないように工夫しました。

9.翻訳者としてのこれからの計画を教えてください

さて、これは私にとっても未知数です。収入のために品質以外に求められる「量」と「スピード」にどう対応していくかが今後の課題と認識しています。そのためには「デジタル」のさらなる活用は避けられないわけで、どうパソコンにエイドしてもらうかを考えているところです。
今回は、特許の中でも電気で登録いただきますが、機械やITなど他の分野のTQE試験にも平行して挑戦したいと思います。
趣味で始めた中国語が2年を超えますます楽しんでレッスンをしています。夢は英中日のトリプル翻訳です!

10.TQE合格を目指す方々にメッセージをお願いします

TQEをまだ1回合格しただけの私ですから、特許翻訳を勉強し始めたばかりの方々へのメッセージとさせてください。「個人辞書を作りなさい!」、松田先生のこの一言から講義が始まりました。これを真面目に作り続けたことは大きな収穫でした。特許翻訳は、特殊な表現、法律用語などを扱う分野ですので、特に個人辞書は重要です。地道な作業になりますが、講義の途中から作成し始めるのは苦痛かと思いますので、最初から作るようにしましょう。将来デジタル化もしやすくなります。私はTRADOSの用語にインポートして活用し、無くてはならないものになっています。

「TQE」概要