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講座Q&Aコーナー

上級講座「IT・通信」Q&A

通信科受講生から寄せられたご質問を紹介しています。
回答は、上級講座「IT・通信」担当講師の、冨田淳二先生です。

◆英文法については初級講座「はじめての翻訳文法」Q&A、IT翻訳については中級講座「IT・通信」Q&Aも参考になります。

英語版Windowsのメニューでコマンド名などを調べるには?
Googleは文字列検索のほか「画像検索」も役に立ちます。
“windows commands”などと入力して検索してみましょう。キーワードに関連する各種サイトの画像が表示されるので、その中から選択してください。
Yahoo や Google の翻訳機能を使うほかに Web 検索の方法はありますか。
翻訳機能では適切な表現があまり見つからないようです。
Webサイトの翻訳機能は信頼できません。
ご質問の「検索」は「用例検索」のことですね。その場合には、作成した英文が Web 検索でどの程度ヒットするかを調べてみましょう。
たとえば、「アイコンをクリックする」を英訳する際、“click on the icon”と“click the icon”のどちらを選べばよいか迷ったとします(両方とも文法的には成立します)。この場合、“click on the icon” と“click the icon” を Google検索すると、前者は 101,000,000 件、後者は 52,700,000 件ヒットしました。
このことから、前者の方がより自然な表現であることが分かります。
※Googleでの調査はタイミングによって検索結果の件数が異なることがあります。
一般の会社の製品情報などを効率的に調べるには?
その会社のサイト内検索を使用する方法があります。ただし、アスタリスク検索など各種検索コマンドを使用できないのが普通なので、Google の Custom Search Engine を使用しましょう。

【Custom Search Engine の作成方法】
1. Custom Search Engineにアクセスします。
2. Create a Custom Search Engine をクリックすると、作成画面が開きます。
 【注】 Google に Sign In する必要があるので、Google アカウントを取得しておきましょう。
3. [Search engine name:] と [Search engine description:] に適当な文字列を記入します。
 【注】入力しないと設定できないので、何か入力してください (後から修正できるので、アルファベット 1 文字でも結構です)。
4. [Select some sites] 内の [Sites to search:] に、検索するサイトのトップページを指定します。
 【注】複数のサイトを指定することもできます。
5. [Editions:] から [Standard edition - Free, ads are required on results pages.] を選択します。
 【注】[Do not show ads on results pages (for non-profits, universities, and government agencies only).] にチェックを入れても結構です。
6. [I have read and agree to the Terms of Service.] にチェックを入れ、[Next] をクリックします。
7. [finish] をクリックすれば完成です。
マークアップ言語とオーサリング言語について教えてください。
「マークアップ言語」の代表例は HTML や XML です。表示させたい文字列を「タグ」と呼ばれる特別な文字列で囲み、囲まれた文字列に指示を与えます。
たとえば、「<B>あいうえお</B>」または「<b>あいうえお</b>」と指定すれば、「あいうえお」と太字で表示されます (<B>も<b>も太字で表示するためのタグです)。このように、表示文字列を背後で支える言語を「マークアップ言語」といいます。
*インターネット エクスプローラのウィンドウ内を右クリックすると、「ページのソースを表示(V)」というメニューが表示さ れます。これをクリックすると、各種文字列を含むマークアップ言語がテキストファイルに表示されます。一度試してみてください。
一方、オーサリング言語とは、より高度なことができる言語で、テキスト、画像、映像、音声など各種形式のデータを束ねて1 つのマルチメディア コンテンツを形成します。SMIL (Synchronized Multimedia Integration Language) などが代表例です。
英単語、表現、専門用語などの意味を調べる方法について質問させてください。私は、まず参考資料を読んでからテキストを読み、単語を調べながら訳しています。同じ単語を何度も調べ直し、行ったり来たりするため、相当の時間がかかることもあります。
翻訳作業の流れでいうと、以下のどれが適切なのでしょうか。
 a.すべての単語を丁寧に調べてから翻訳に取り掛かる。
 b. 訳しながら調べる。
 c. 分からない単語はとばして、初めに全体をざっと訳した後で丁寧に調べながら訳す。
a.~c.のどれでもよいと思います。最初は何度も辞書を引いたり参考文献を調べたりして、予想以上に時間がかかるものです。しかし、そのような作業は決して無駄になりません。遠回りをしながら周辺知識を身に付けていると考えましょう。試行錯誤しつつ自分に合った方法を見つけてください。受講生の皆さんも苦労しながら翻訳に取り組んでいますし、私も昔はそうでした。はじめからスピードを意識しすぎるのはあまりよくありません。学習段階では納得がいくまで丁寧に訳してください。
「~できるようになる」という意味の enable とallowは、どのように使い分ければよいでしょうか。
いずれもほぼ同義ですが、「可能」の意味合いを強く表現したい場合は enable の方がよいでしょう。allow は「~を許可する」が原義なので、組み合わせられる目的語の範囲が enable よりもやや広いようです。具体的な組み合わせは Web検索で調べてみましょう。
「より英語らしい表現の英文」を作成するには、どのような勉強をすればよいでしょうか?
英訳は「英作文」ではなく「英借文」と言われるように、「生の」英語にどれだけ触れたかが物を言います。
IT 分野の適 切な表現を身に付けるには、この分野の文章に数多く接するしかありません。しかし、実際にはなかなか難しいので、Google Video を活用するのもよいでしょう。聞き流すこともでき、リスニングの勉強にもなります。
まず、テーマとなる単語 (たとえば computer basics) を入力すると、多くの関連サイトが表示されます。好みのサイトを選択し、視聴してみてください。
【注】Googleは youtube を買収したので、そのサイトに飛ぶこともあります(サンプルサイト)。
「より英語らしい表現の英文」を作成するには、どのような勉強をすればよいでしょうか?
英訳は「英作文」ではなく「英借文」と言われるように、「生の」英語にどれだけ触れたかが物を言います。
IT 分野の適 切な表現を身に付けるには、この分野の文章に数多く接するしかありません。しかし、実際にはなかなか難しいので、Google Video を活用するのもよいでしょう。聞き流すこともでき、リスニングの勉強にもなります。
まず、テーマとなる単語 (たとえば computer basics) を入力すると、多くの関連サイトが表示されます。好みのサイトを選択し、視聴してみてください。
【注】Googleは youtube を買収したので、そのサイトに飛ぶこともあります(サンプルサイト)。
冠詞が苦手です。特にIT翻訳の際に無冠詞/定冠詞を区別する方法はあるでしょうか?
例なども挙げていただければ幸いです。
冠詞の要不要は文脈によります。ここで冠詞の使い方を網羅することは不可能なので、以下に代表例を示しておきます。その他の用法については、辞書や文法書で調べてみてください(ご参考までに、ベレ出版「冠詞が使えるルールブック」のブック検索のリンクを紹介しておきます)。

種族全体 [あるいは総称] を表す場合、a + 単数形、the + 単数形、無冠詞の複数形が使用されます。

【例】「コンピュータは有効なツールだ。」
 A computer is a useful tool.
 The computer is a useful tool.
 Computers are useful tools.

【注】主語以外の位置で「種族全体」を表す場合、無冠詞の複数形のみ可です。
 I like computers [×a computer, ×the computer].

日本人が冠詞を苦手とする理由の1つは、冠詞を飛ばして英語を読んでいる点です。英文を読むときには、「ここでa (an) あるいは the が使われているのはなぜだろう」と考えてみてください。ひとつひとつ確かめながら読んでいけば、冠詞の感覚が徐々に鋭くなってくると思います。ただし、どうしても理解できない部分については、講師に遠慮なく質問してください。
原文にタイプミスや抜けがある場合の対処方法を教えてください。
調べた結果、正しいと判断した方を書くのでしょうか。たとえば、名称を英語のまま訳文中に残す場合、原文の抜けということで、1単語抜けたままで訳すと間違いになりますか。
原文にタイポがある場合は、別紙に訳注という形で指摘するとよいでしょう。
また、原文の内容に誤りがある場合には、原文どおり訳した上で正しいと判断した訳を添え、顧客の判断を仰ぎましょう。仮に明確な根拠に基づき原文の誤りと断定できるときでも、訳注を付けずに修正した訳文を納品するようなことは絶対に避けてください。
TQEを受験する予定なので、注意点やアドバイスをお願いします。
主な点は下記のとおりです。

①意訳を最低限に抑えつつ、できる限り「訳し下す」工夫をします。
②「訳抜け」、「誤訳」、「解釈ミス」等があると合格しません。何度も見直してから提出してください。
③不明な部分はネットで可能な限り検索しましょう。ただし、検索に時間を費やしすぎると翻訳にかける時間が減ってしまい、粗雑な訳文になりがちです。この点はバランスを考えてください。
④画面での推敲は思わぬ見落としの原因になるので、訳文はプリントアウトし、赤ペン等でチェックしてからワード文書に反映させることをお勧めします。この手順を繰り返す回数が多いほど訳文が練られ、合格に近づきます。
⑤課題の PDF ファイルにはその出典先と URL が添付されています。課題そのものは 1000 語前後ですが、出典先の文にも必ず目を通してください。
⑥実際の案件と同じ扱いになります。辞書は大いに活用すべきですし、特定の専門分野に詳しい知人や友人にアドバイスを求めても構いません。英文解釈で分からない部分をネイティブに聞いても結構です。ただし、不特定多数の目に触れる電子掲示板やオンライン・コミュニティーに質問を投稿するといった行為は失格になります。その点にはくれぐれもご注意ください。
IT 翻訳ではカタカナ表記が多用されますが、「できるだけ日本語を使うことが望ましい」という見解もあるようです。
もちろん、検索エンジンで汎用性を調べるようにはしていますが。
実際の翻訳業務を請け負ったときに関わることなので、カタカナ表記の是非に関する指針があれば教えてください。
IT 分野はカタカナ語がかなり多いので、無頓着に使用すると、「プロダクトをシームレスにリリースする」のようにカタカナばかりになってしまいます。したがって、一般的には、和語でも不自然でない用語は和語で表現した方がよいでしょう。ちなみに TQE では、(Web 検索での用例数に大差がない場合) 「カタカナ」と「和語」のどちらを選択したかで減点されることはありません。実際の案件では「スタイルガイド」で指定された表現 (訳語) を使用しますが、特に指定がなければ Web 検索で用例が多くヒットした方を選択しましょう。むしろ問題になるのは「表記の揺れ」です(たとえば、ある場所では「遍在性」、別の場所では「ユビキタス」と訳すなど)。もちろん、訳し分けの意味や意図があれば構いませんが、そうでない限り統一する必要があります。
どのような種類の翻訳案件がありますか?
需要の多いものや難易度についても教えてください。
マニュアル、プレスリリース、技術文書等の案件が数多く発注されています。
難易度については一概に申し上げられません。というのも、誰を対象に書かれたものかによって、マニュアルやプレスリリースといえども難易度が大幅に異なるからです。エンド ユーザー向けのマニュアルなら専門性はそれほど高くありませんが、エンジニア向けのマニュアルであれば相応の専門性が要求されます。
たとえば、Oracle の案件に関しては、実務経験や専門知識が豊富でない方に依頼されることはありません。それに対して、テレビゲーム機 Xbox 360 などについては、専門性自体は高くないものの、ゲーム機能がある程度分かる方に翻訳が依頼されます。
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