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出版翻訳のプロになりたい方にお勧め!!

出版翻訳「藤岡ゼミ」
講座名 特別講座:出版翻訳「藤岡ゼミ」(第3期)
受講期間 期間:6ヵ月 (毎月第2土曜日3時間13:00〜16:00/全6回 計18時間)
初回講義:2008年3月8日(土)
受講料:73,500円(税込)(※継続受講割引の適用はありません。)
定員 5〜7名 
場所 鎌倉市稲村ガ崎 藤岡先生のご自宅書斎
講師 藤岡 啓介 先生
著述家、翻訳家、辞書編纂者、電子辞典データベース編纂者。早稲田大学でロシア文学 専攻。月刊誌『工業英語』の創刊編集長。出版翻訳界の第一人者。
著書に『翻訳は文化である』『英語翻訳練習帳』(いずれも丸善ライブラリー)。
辞書編纂では科学技術の基本語・複合語を「言葉の群れ」として捉え、前置き後置きを自在にできる新構想の『工業英語語群辞典』(工業調査会)がある。
訳書はサム・白川『フルトヴェングラー 悪魔の楽匠』(アルファベータ)、チャールズ・ディケンズの『ボズのスケッチ』(岩波文庫刊)、E.エンゲル『世界でいちばん面白い英米文学講義』(草思社)、E.ソレル『文豪の真実』(マール社)など。
通信科 通信科は行っておりません。ご了承ください。
対象 出版翻訳(文芸;英日)の翻訳者を志す方
指導要項 翻訳界では、最近「出版翻訳」が脚光を浴び、年間1000点以上の翻訳新刊書が、これまで何の実績もなく無名だった翻訳者の手で出版されています。
しかし、外国語ができればだれもが翻訳できるとは限りません。翻訳、特に小説やノンフィクションでは、それなりの読解力、語彙、文体の修練が必要です。また、新刊書を要約して、出版社に提出する「翻訳出版企画書」も、いくつかの約束事をふまえて作成しなければなりません。
本講座では限られた時間ですが、本格的な英米文学の名作をテキストにして、翻訳修行をしながら、名作を読了する達成感も味わってもらおうと考えています。
話題の『世界でいちばん面白い英米文学講義』(E.エンゲル、草思社刊)、『文豪の真実』(E.ソレル画、マール社)の訳者が語る文学談義で翻訳の世界が大きく広がります。
今回の第3期では、20世紀を代表する大作家サマセット・モームを取り上げます。
課題 サマセット・モームの短編集(英日)
カリキュラム
  1. 講義前
    受講生は各自、課題訳文を藤岡先生へE-mail添付で提出します。その後、受講生全員分の訳文が送付されますので、比較検討してから講座に臨んでください。
  2. 講義当日
    課題を元に、読解・翻訳法の問題点などを先生を交えた受講生全員で詳しく検討します。藤岡先生の豊富な経験に基づいた翻訳に関するお話や、翻訳出版についての専門知識の「余談」もたっぷりと聞くことができます。
  3. 講義後
    受講者全員の訳例を吟味した藤岡先生執筆の詳細な「講義録」を、受講生各位に毎月配布いたします。
受講生・修了生の声

第2期修了生の声

村松 静枝 さん

これまで通信講座を中心に勉強していたため、講師から直接講義を受けることができる本講座は非常に魅力的でした。また、月に一度という頻度は無理なく通うことができ、ありがたかったです。
講座では他の受講生の訳文と先生の訳文を比較検討するとともに、翻訳するうえでのちょっとしたコツやポイントを数多く教えていただきました。自分では「これでよし」と訳しあげたつもりでも、思わぬ誤訳や勘違いに気づいたり、他の受講生の方の訳文に感心したりと、独学では決して体験できないことの連続でした。
毎回先生が、書斎の書架の膨大な蔵書のなかから参考になる文献やお薦めの小説などを次々にご紹介くださり、そのつど書名をメモしては帰宅後注文する、という繰り返しで、この半年間で自分の読書傾向がずいぶん変わり、蔵書も増えました。まだ読破できていない本が本棚に積みあがっていますが、これからじっくり読んでいくつもりです。
また、先生のことば「自分はこの作家の本を訳すために翻訳家になったのだ、と思えるような作家を見つけなさい」「翻訳家とはもの書きだ」「本には大いに投資しなさい」は、今後も肝に銘じておきたいと思います。

※ 弊社サン・フレアのWeb サイト「Web マガジン 出版翻訳」にて
村松さんの受講体験記を公開しております。是非ご覧ください。

《ご案内》藤岡啓介先生の新刊書

本セミナー講師・藤岡啓介先生の翻訳書が出版されております。

アメリカの伝記研究家エリオット・エンゲル教授の英米文学作家評伝で、チョーサー、シェイクスピア、オースティン、ポー、ブロンテ姉妹、ディケンズ、ワイルド、トゥイン、ドイル、D.H.ロレンス、フィッツジェラルド、ヘミングウェイの生涯と作品を著者の「とっておきのエピソード」を交えて語る魅力たっぷりの読み物です。

『世界でいちばん面白い英米文学講義?知られざる巨匠たちの人生』
エリオット・エンゲル著、藤岡啓介訳、草思社、定価2400円

「訳者あとがき」より

面白い、とにかく面白い。だってそうじゃないか、あのグローブ座でシーザーをやるとき、舞台裏でブタを一頭屠っていたなんて。ブタの膀胱を舞台のシーザーが腹に巻きつけブルータスの短剣がぶすり、シーザーがダラダラと血を流したなんて。おまけに下手な役者には平土間からトマトが投げつけられたという話、これも知らなかった。

ディケンズが同じ小説を同じ読者に形を変えて三度も売りつける商才を、まるで見ていたように書くなんて、エンゲル先生は只者じゃない。そうそう、マーク・トウェインにとてつもなく痛快な話もある。『若草物語』のオールコット女史がハックのことを「あまりにも卑猥、猥雑」と評したので、それをそのままいただいて新聞広告に使ったら何と売り上げが三倍増だったと。

会う人ごとにこの本がめっぽう面白いと吹聴しているうちに、自分で翻訳したくなった。いろいろ洋書は買うのだが、たいていは通読なんてしていない。それがこの本だけは毎夜読みふけってお仕舞いまで読んだのだから、勢いにのって翻訳してもバチは当たらない。ところが読むと訳すとは大違い、エンゲル先生の皮肉やジョークは並の気合いではうまくいかない。エンゲルさんが引用する作家の言葉に誤訳があってはバチが当たる。そうだ、エンゲルさんは高名なディケンジアンだ、翻訳はディケンズの『ボズのスケッチ』調でやってみよう、日本語の調子が整えば自ずと流れていくだろう。難しいところでは、そう、心強い助っ人がいる、エイドリアン・ピニングトン先生だ。早稲田で忙しそうだがたまには、珍問奇問も気晴らしになるだろう。

それにしても、訳していて涙があふれた。慈善病院に拾われ、末期に「神よ、わが魂に慈悲を!」と絶叫したエドガー・アラン・ポー。同じようにアル中でぼろぼろになった体を励まして『ラスト・タイクーン』を書く最中に、崩れるように床に倒れたフィッツジェラルト。『偉大なギャツビー』を書いた世紀児が、わずか七百ドルしか残していなかった。夫人ゼルダの様子はもっとひどい。フラッパーで一世を風靡した美女がサナトリウムの病棟で焼死し、歯型で身元が知れたとは。

ブロンテ姉妹の運命も涙なしには語れない。『ジェーン・エア』のシャーロッテだけでも長生きして欲しかった。彼女ならもっと書けただろう。結核で早世する弟と姉妹四人を看取ってなお、彼女は生命を大事にしていた。結婚した。身ごもった。しかし姉妹と同じ病が襲い、病床で傍らの夫に「わたしたちとても幸せでしょう、神様だって、わたしたちを別れさせるなんて、とてもできないはずよ」、そう言い残して、出産を待たずに、三十九歳の若さで亡くなった。

男たちの支配する文壇に、初めて女流作家として登場したシャーロッテ・ブロンテ。彼女の章を訳しながらその作品群を読み漁った。親しい友であるエリザベス・ギャスケルの書いた伝記も読んだ。知れば知るほど、これまでの不明が悔やまれた。女の怒り、情熱、悲嘆をあますことなく書いた。書くうちに、ペンが走った。シャーロッテには、ジエーン・オースティンのようにお行儀のいい美男美女の物語は書けない。書くからには訴える。世評のいう「良家の子女には読ませたくない」「ありうべからざる破廉恥行為」の非難を覚悟の上で書いていく。この社会では女は男に隷属しなければ生きていけない。だが、自分は人間として、自分の自由と意志を持つべきだ。貧しい娘ジェーンの貴族ロチェスターに対する恋はそうしたすさまじい心の葛藤のうちに生まれる。女は男に服従しながら男を支配し、男は女を支配しながら女に服従するという恋。人々に何を読んでももらいたいのか、何を語らなければならないのか。ディケンズのように、作品でその生き様で、もっと多くのことをシャーロッテは私たちに語ってくれたはずだ。シャーロッテ・ブロンテは自分が作家であることを自覚したヴィクトリア朝初めての、プロ意識をもつ女流作家だった。

エンゲルさんの「とっておきの話」に惹きつけられ、いつの間にかそれからそれへと文学の楽しさ、それを書いた作家たちの生き様に夢中になっていく。本書を翻訳しながら、どれだけの本を読んだことだろう。ここで語られている言葉の端はしに、そうした訳者の感慨を読みとってほしい。そして一人でも多くの読者が、エンゲル先生の手引きで改めて小説の面白さを知ってほしい。あなたの「永遠の書」を見つけてほしい。

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